新コーナーが始まります。

ここ静岡市清水区には、三保の松原、神秘の駿河湾、霊峰富士など、日本人の心を捉える美しい風景があります。
また東海道の名所で華やいだ宿場の街並みが連なり、三保の松原以外にも富士山のビューポイントが数多くあります、
静岡市清水区に焦点をあてて、地域にまつわる話題をシリーズでご紹介します


2013年11月1日金曜日

駿河湾の奇跡「桜えび」その4 ~桜えびの発光器

駿河湾の奇跡「桜えび」その4 ~桜えびの発光器


桜えびの腹の部分にはおよそ160個の発光器があり、暗い海中を光りながら泳いでいるようです。
ただ、漁師の皆さんにこの事を聞いても「桜えびが光るなんて聞いた事がない、分らない、気がつかない、えびが光ってるのは見たことない」など。だれも光った所を見た人はいないのです。桜えびのお腹の部分を顕微鏡で拡大して見たところ、発光部とレンズが1対づつ有り、大きさはわずか0.1㎜です。発光を確かめる方法は、紫外線を発光部に当てると一種の蛍光色を発光するらしいのです。
発光器の拡大写真




 
駿河湾に月の光が優しく差し込みます
では、どうゆう理由で発光するのでしょう… (1)自分の影を消すため。桜えびが夜海面に浮上する時、月の光が差し込みます。この時発光すると、下から上を見ると月の光にまぎれます。小さな桜えびが大きな自然で生きてゆくには、自然の知恵で自分を守ってきました。(2)コミュニケーシヨンのため。桜えびは水深200mのふかさにいて、夜浮上してくる時に群れをなして上がってきます。発光しているのが自分と同じ仲間という確認を、おたがい伝え合います。他の種類のえびや体の大きいえびと発光器の数が違う事で識別しています。暗い海の中で群を作って行動する桜えびには、発光器からの光がおたがいの意思を伝える言葉なのかもしれません


駿河湾の特産で知られる桜えび。漁が始まっておよそ116年。明治27年のある日、定置用の網に浮樽をつけ忘れたところ沢山の桜えびがかかりました。こうして偶然に始められた桜えび漁は、たちまち駿河湾の産業の中心となって、地元の経済を潤していきます。
ところが昭和に入って桜えび漁は極度の不振に陥ります。この時その原因究明にあたったのは中澤毅一博士です。博士は私財をなげうって駿河湾に研究所を設立しました。日本で初めて桜えびの本格的な研究がはじまります



中澤毅一博士


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2013年10月15日火曜日

駿河湾の奇跡「桜えび」その3 ~桜えび漁法

駿河湾の奇跡「桜えび」その3 ~桜えび漁法





春と秋に行われる桜えび漁はおなじみですが、日本ひろしと言えども、桜えびがとれるのは、ここ駿河湾だけです。そしてその生態はまだ沢山の謎に包まれています。なかでも最大のなぞが体にある発光器です。桜えびは深い海の底で光って泳いでいるようです。今回は、桜えびの神秘と謎をお話しします。
夕方から夜にかけて行われる桜えび漁は、当日の午後に出漁するかどうかが決められます。出漁が決定すると、120隻もの漁船がいっせいに沖合にある漁場を目指します。120隻のエンジン音と水しぶきは迫力満点です。
沖合を目指す漁船

海面に浮上する桜えび
えびは昼間水深200mの深い所に生息していますが、夜になると海面から数十mまで、プランクトンを捕食する為に浮上します。桜えび漁はこの浮上してきたところをねらって網にかけるのです。桜えび漁は一つの網を2艘で曳く2艘びき漁法です。漁船同士、息の合った連携プレイが必要です。網を海に入れて数十分がたち、2艘の船が近づき網をた繰り寄せると網の中は、一面の桜えびです。この時漁師のみなさんは、一段と活気づきます。海中で生息している桜えびは普段食べている桜色の桜えびとは違い、透き通っています。また体の3倍もある長い触覚でバランスをとりながら、海の中を数百メートル泳いで上がったり、潜ったりしているのです。

2艘びき全景


 …次回は、いよいよ桜えびの神秘、発光器の謎に迫ります


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2013年9月20日金曜日

駿河湾の奇跡「桜えび」その2 ~駿河湾の地形

駿河湾の奇跡「桜えび」その2 ~駿河湾の地形 




桜えびが育つ駿河湾は、最深部が約2800mの日本で一番深い湾である事は広く知られており、東は伊豆半島南端の石廊崎から西は御前崎とを結ぶ線で囲まれる海域で伊豆半島の江浦湾、内浦湾、戸田などの小湾があります。
天然栄養素が豊富な駿河湾は黒潮の分岐が湾内を還流するために外洋性海域の性質をもっており、ブリ・サバ・カツオの漁獲が多く、特産にタカアシガニ・テングサなどがあり、遠洋漁業基地の焼津をはじめ漁港も多いという特徴を持っています。




深海に潜る桜えび
それに加えてここ駿河湾には、富士川・安倍川・大井川などの一級河川が存在し、南アルプスの山々などから多くの天然栄養素(プランクトン)を運び、桜えびを育ててくれています。桜えびはこれらの河川から清流が流れ込む河口沿岸で、明るい昼間は水深200m程の比較的深いところに生息し、夜になると海中を浮遊するプランクトンを食べる為に20m~30m程の所まで群れを作り浮遊します。そしてまた朝になると散って下降していくという日周運動を繰り返す事で生息~繁殖を可能としています。


さて、駿河湾は前途の通り、日本列島はもとより地球上でも有数な急峻な海底地形です。この急峻な駿河湾に隣接しているのが、この地域に住んでいるものなら語らずにはいられない富士山です。
富士山は言うまでもなく日本最高峰の3776mの高さを誇り、駿河湾最深部から富士山頂上を仰ぎ見るとその比高は約6500mという高さにもなります。
日本最高峰の富士山の麓に日本最深の駿河湾が在る。まさに大自然の神秘です。


薩埵峠より富士山を望む

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2013年9月6日金曜日

駿河湾の奇跡「桜えび」 ~産地の歴史

駿河湾の奇跡「桜えび」 ~産地の歴史と由来




先日、とある勉強会で、関西の社長さん12人と駿河湾産桜えびの試食会をしました。天日干しされた桜えびを食べた社長さんたちは口揃えてこう言いました。『まったくの別モノや。甘みと風味が全然違うわ!』大阪で生まれ育った私も、お好み焼きに入っている小さくて赤い小エビを「桜えび」だと思っていたことから、桜えびが世界的にも希少で、日本では駿河湾でしかとれない奇跡のえびであることを、あまり知らない人も多いように感じました
遊泳する桜えび



蒲原宿の街並み


蒲原町・由比町のある奥駿河湾沿岸に住む人々は
江戸時代の宿場の稼業の頃から、農地の他に塩業や沿岸漁業を営んできました。明治初期の地図には現在の東海道線のあたりから南側一帯はほとんど塩畑と記されており、集落の前面に拡がる砂浜を利用した製塩業の盛んであった様子がうかがわれます。「桜えび」漁業の始まる以前には、漁師は地引き網漁と沖合でのカツオ漁を主漁とし、マグロやカツオやカジキを求めて船で西伊豆から時には下田以遠までも漁に出かけていたようです明治の半ば頃までには、この地方ではこのほかに、かまぼこの材料となるキスやサメを水深600~800mで漁獲する、はえ網釣漁や冬のアジ船ひき網漁が盛んでした



桜えびの歴史は意外に浅く、江戸時代にここ駿河湾に小さな美しい桜色をしたエビがいることは漁民の間で知られていたようですが、漁業として成り立ったのは明治27年(1894年)12月。いつものように鰺の夜曳漁に出掛けた由比町の望月平七さんと渡辺忠兵衛さんが富士川尻沖の漁場についてから網を浮かせておく浮樽を積み忘れて、仕方なく浮樽なしで鰺網をおろしたところ、網が深く沈んで、引き上げると一石(180リットルもの大量のエビが入ってきたことを機に、桜えび漁は一気に盛んになり、駿河湾の特産品として知られるようになったようです。
桜えび夜曳船





桜えび天日干し風景


桜えびという名をだれがいつ頃つけたかは定かではありません。体長は4~5㎝、透明で美しい桜えびを干すと
その色が桜花を撒いたように美しかったことから桜えびと呼ばれているようです。富士川の河川敷で桜えびを天日干ししている様は、桜色のじゅうたんを敷き詰めたような風景で、季節の風物詩を味わうことができます

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2013年8月29日木曜日

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